「提婆達多(だいばだつた)!」
2019/04/21
昨年9月に、75歳で亡くなった、樹木希林の著書「一切なりゆき」が
発行部数100万部に達した。本屋に行くと、かなりのスペースを特設
コーナーが占め、亡くなった後に発行された本が、何冊も並べられている。
「一切なりゆき」を手に取ってみた。その中で「夫は私にとって提婆達多
みたいなものだ」と表現している。提婆達多とは、お釈迦様の従兄弟で、
最初は同じ教団内で活動していたが、やがて反逆し、お釈迦様を殺害しようとした人物だ。
しかしお釈迦様は、提婆達多がいたからこそ見えてきたものがあると言った。
自分にとって不都合なもの、邪魔になるものを
すべて悪としてしまったら、病気を悪と決めつけるのと同じで、そこには
何も生まれて来なくなる。物事の良い面と悪い面は表裏一体、それをすべて認める事によって、
生き方がすごく柔らかくなるんじゃないか。
「夫という提婆達多がいたからこそ、今、こうして穏やかに生きていられるのかも知れません」
という言葉が心に刺さった!
耳の痛い事を言ってくれる人が身近にいるだろうか? by石塚