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蕗の薹　　2020

  立春からまだ、10日も経っていないのに、浜松で最高気温が、20℃を超え、

春というより、初夏のような陽気のこの日、家の小さな庭の片隅に、

「春の使者」ふきのとうを見つけた。

去年、見つけたのは、3月の終わり頃、花が咲いてしまった後の姿だったので、

今年は、年明けから気を付けて観察を続けて来て、ついに、出会う事が出来た。

さっそく、まだ地面から、顔を出したばかりの柔らかい物を収穫して、天ぷらにして、食べてみた。

見た目はいまいちだが、カリッと揚がって、美味かった。ほろ苦さがは、大人の味だ。

蕗の薹は、きく科の植物で、冬眠から目覚めた熊は、最初にふきのとうを

探して食べると言われるほど、味覚を刺激し、春に向けてのスタートには、

もってこいの食べ物だ。

今の家に住んで、今年で50年になるが、ふきのとうを収穫したのは、

今年が初めての体験！

興味の視点を変えると、今まで見えなかった物が見えて来る。

                                                                                               ｂｙ石塚