ていねいに暮らす その277
2023/05/19
北斎展!
浜松市美術館で先月22日から始まった「北斎展ー師と弟子たちー」
に行ってきた。
葛飾北斎は浮世絵師の中でも広重、歌麿、写楽と並び
人気の高い作家で、90年の生涯に膨大な作品を遺している。
北斎といえば「富嶽三十六景」。
大迫力の大きな涙の向こうに富士山が
描かれた「神奈川沖浪裏」。
通称「赤富士」と呼ばれる、
赤く染まった富士が印象的な「凱風快晴」。
予備知識なしで、画を前にして何を感じるかを美術館で楽しんでいる。
今回は「音声ガイド」を借りてみた。
女性講談師の軽妙な語り口が、
その画を楽しませてくれる。
今回、こころ惹かれたのは、妖怪絵。
怪談をテーマにした「百物語」。
『こはだ小平二』は恨みがましい表情の骸骨が描かれている。
北斎のは、解剖学の知識もあったようで、
頭蓋骨の縫合線の描き方にリアルさを感じ、
赤色の使い方にビビットときてしまった。
グロテスクではあるが、どこかユーモラスで愛嬌がある画だ。
他にも「お岩さん」「笑ひはんにゃ」「さらやしき」など
北斎の描くおばけは個性派ぞろいで、北斎の描く怪しい画に、
こころ奪われた、ひと時だった。
by石塚