ていねいに暮らす その294
2023/09/15
こんにちは、母さん!
TOHOシネマズ浜松で、山田洋次監督の「こんにちは、母さん」を観た。
平日昼、観客の年齢層はかなり高めだった。
吉永小百合、123本目の映画。
彼女には同年代の熱烈なファンが有名人にも多く、
生粋の「サユリスト」として、タモリは知られている。
少女時代から圧倒的な美しさで、
人気が高く現役の女優でありながら、「神格化」されていて、
この頃の役どころは、多少無理があるように思えた。
今回の「こんにちは、母さん」は
初めて孫のいる、おばあちゃんの役で、
やっと年齢に役が追いついた感じで、
とても自然な演技が心地良かった。
母で思い出す事がある。
3つ上の兄が、高校を卒業して京都に就職し、
しばらくして電話がかかってきた時
長男のいない寂しさからか母が突然、電話口で泣き出した。
全くそんな素振りを見せていなかったので、
大変驚いたが、それ以上に、兄に対して嫉妬したのを、
何十年もたった今でもハッキリ憶えている。
令和の時代において、日常の暮らしの中で
抱える悩みや葛藤を丁寧に描きだす山田監督に
最後は泣かされてしまった。
by石塚